陥没乳頭
乳管を温存しつつ、乳首を出したい
乳管を温存した陥没乳頭術とは
乳頭が陥没している例はよく見かけます。通常は乳頭が見えないくらいに陥没していても刺激を与えると乳頭がしっかり現れる方もいらっしゃいます。このような患者さまの場合は美容外科の手術で治療可能です
陥没乳頭が起きる要因は、乳管の短縮にあります。つまり単純に乳頭の周りの皮膚や皮下組織を動かしても結局効果は現れません。
乳管を完全に切断できれば形は整いますが、乳汁は分泌できなくなります。
乳腺の機能を温存させながら形態を整えるには、乳管を伸ばすという手技が必要なのです。
また、後戻り現象をできるだけ防止することも大切なテクニックになります。
正常な乳頭では乳腺から伸びた乳管の長さがしっかりあるため乳房がら突出しています(fig1)。
しかし、陥没乳頭では乳腺から伸びた乳管が短く変形しているため、乳頭が内側に引き込まれてしまいます。
乳腺の機能を温存させながら形態を整えるには、乳管を伸ばすという手技が必要なのです。
また、後戻り現象をできるだけ防止することも大切なテクニックになります。
正常な乳頭では乳腺から伸びた乳管の長さがしっかりあるため乳房がら突出しています(fig1)。
しかし、陥没乳頭では乳腺から伸びた乳管が短く変形しているため、乳頭が内側に引き込まれてしまいます。
陥没乳頭術の欠点と利点
陥没乳頭術のメリット
陥没乳頭術のメリットは、丁寧に縫合することにより、傷跡が目立ちにくくなります。
当院の手術法では高い治療率が期待できます。
陥没乳頭術のデメリット
手術手技が難しいことが挙げられます。術後に効果を高めるために小さな装具を2〜3週間装着する必要があります。
陥没乳頭術の手術時間と術後の経過
複雑な陥没乳頭の場合、手術時間が片方1時間もかかることがあります。術後は、ご帰宅できます。
いくら傷跡が残りにくい場所といっても、丁寧な縫合が必要です。
麻酔は、局所麻酔で行います。
陥没乳頭術の術後は、乳管の延びが安定するまで、1週間ほど乳頭の釣り上げを行います。術後10日ほどで抜糸を行います。
陥没乳頭術での腫れは、術後2週間ほどで退きますが、徐々に硬さを増してきます。
傷跡もやや赤黒く感じるでしょう。術後2〜3ヶ月で硬さもやや落ち着き、傷跡の色合いもずっと良くなります。完全に落ち着くには6ヶ月程度を要します。
陥没乳頭術のアフターフォロー
血行の状態は大変重要ですので、術後2〜3日目の状態の観察は欠かさず行います。術後7日目に乳頭吊り上げ固定をはずします。暫くはドーナッツ状の当て物で傷を保護します。
洗髪、胸以下のシャワー浴は、陥没乳頭術の術後当日からでも構いません。乳房部のシャワー浴は、乳頭の釣り上げ器を外した当日から可能です。完全にお湯に浸かれるのは抜糸後です。
抜糸までは、ご自分で消毒をきちんと行ってください。
乳管を温存した陥没乳頭術の詳細情報
施術時間 | 2〜3時間程度です。複雑な陥没乳頭の場合、手術時間が片方1時間もかかることがあります。 |
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施術後の通院 | 手術翌日に消毒を行います。術後1週間後に固定カップの除去。2週間後に抜糸を行います。 |
腫れについて | 腫れは、2週間程度で退いてきます。 |
カウンセリング当日治療 | 基本的に不可。感染症の血液検査結果があれば可能です。 |
入院の必要性 | 不要 |
麻酔 | 局所麻酔 |
洗顔・洗髪・胸下シャワー浴 | 手術当日から可。ただし、胸部は濡らさないでください。 |
リスク(合併症・副作用 等)
- 感染
- 細菌やウイルス等による炎症。
- 血腫
- 術後、皮下や臓器からの出血が起こり、血液が貯留することです。
- 出血
- 術後やや多い量の出血を見ることです。
- 内出血
- 術後概ね起こる皮下の血液の組織への浸透で、自然に吸収されます。
- 瘢痕(創跡)
- 全ての皮膚切開創は、多少の傷痕が残ります。肌質的に目立つ人もいます。
- 肥厚性瘢痕(ケロイド)
- 傷痕の中でも、膨らみや硬さが強いものです。原因は、遺伝性のため術前には防御することができません。ただし、治療法がございます。
- 色素沈着
- 瘢痕の一つですが、色素(メラニン)の沈着が主な原因です。
- アレルギー
- 薬剤が原因のものが多いのですが、金属やテープ等でも発症することがあります。
- 予定形態との差
- なるべく患者さまの意見は取り入れるようにしますが、完全な表現は無理がある場合があります。
- 微妙な左右不対称
- 人間の体は左右不対称であるため、手術後にも左右不対称は起こりえます。
- 乳頭壊死
- 乳腺炎
- 乳汁分泌異常
乳管を温存した陥没乳頭術の手術費用
項目 | 治療内容 | 金額 (消費税込) |
---|---|---|
陥没乳頭(片側) | 乳管延長による陥没乳頭形成術 | 275,000円 |
症例1先天的な陥没乳頭
先天的に陥没乳頭でした。形態的に修正をご希望されました。
この症例の価格
陥没乳頭形成(両側) モニター 44万円(税込)
この症例のリスク・副作用
感染、肥厚性瘢痕、色素沈着、左右差、乳腺炎、乳汁分泌異常
症例2乳房が成長するにしたがって陥没した乳頭になった
思春期のころから、乳房が成長するにしたがって陥没した乳頭になったため、陥没乳頭形成を行いました。
この症例の価格
陥没乳頭形成(両側) モニター 44万円(税込)
この症例のリスク・副作用
感染、肥厚性瘢痕、色素沈着、左右差、乳腺炎、乳汁分泌異常
症例3乳母の発育にしたがって乳頭が陥没
乳母の発育にしたがって乳頭が陥没してきました。通常の乳頭の大きさをご希望されました。
この症例の価格
陥没乳頭形成(両側) モニター 44万円(税込)
この症例のリスク・副作用
感染、肥厚性瘢痕、色素沈着、左右差、乳腺炎、乳汁分泌異常
症例4他院で2回手術治療をしたが、良い結果が得られなかった
陥没乳頭に対し他院で2回手術治療をしましたが、良い結果が得られなかったため、当院での修正をご希望されました。
瘢痕を完全には修正できませんでしたが、乳頭の形態はかなり改善しました。
この症例の価格
陥没乳頭形成(両側) モニター 55万円(税込)
この症例のリスク・副作用
感染、肥厚性瘢痕、色素沈着、左右差、乳腺炎、乳汁分泌異常
陥没乳頭術のポイント
- 乳管の短縮を補うために乳腺の入管化で乳管の延長を行います。
- 乳管を温存しながら伸ばすため、乳頭組織内に橋渡し組織を創ります。
- 乳頭が沈まないような皮下縫合を行います。
乳管を温存した陥没乳頭のデザイン
乳頭内橋渡し組織を作るためAとBをデザインします。
乳腺内の切開
乳管を乳腺組織まで掘り下げます。乳腺内に橋渡し組織を埋没し、さらに乳管の奥組織と乳輪外部組織の近くを中縫いし、乳頭を突出させます。
後戻りを防ぐためにこの装具を7日間ほど使用します。