フェイスリフトのよくある質問

フェイスリフト手術の全般について

顔全体のしわをとりたいのですが、フェイスリフトの手術をした場合、傷跡のため手術後、何日間くらい仕事を休まなければならないでしょうか。

フェイスリフト手術の基本は、皮下の剥離はくりを十分広く行う事です。こめかみは眉の上あたりから目尻の近くまで、ほおは法令線近く、頚(くび)はのど仏の近くまで皮下を剥離はくりします。これにより深部リガメントは、皮下でしっかり切断されます。
SMASスマスといわれる表情筋の層をつり上げることで、フェイスリフトの効果を高めます。その後、余剰皮膚を切除しながら上方へ顔の皮膚をつり上げるようにして皮膚を三層に縫合していきます。この時、徹底的な形成外科的縫合法で美しく縫い上げて行きます。
広範な皮膚剥離はくりを行った後はその下に血腫という血が溜まりやすい状態になっていますので、手術後圧迫包帯は必須事項でしょう。概ね術後3〜4日間は顔全体を包帯で包み込む様にして圧迫します。
フェイスリフトの術後5日ほどで包帯を除去し7日目で抜糸を行います。包帯を外せば縫合糸はつけたままで、洗顔洗髪または軽いお化粧は可能です。抜糸後くらいからは通常のお仕事は可能ですが、術後の顔の腫れがありますので、これが少し治まってからでないと、人前には出にくいと思います。もちろん腫れはそうすぐには退くものではなく、2か月程度で完全に落ち着くと考えた方が良いでしょう。
一般的には術後2週間程度で概ね落ち着きますので、その位から仕事復帰をお考えになると良いと思います。

フェイスリフト手術の適応について

私は30歳の女性です。お聞きしたいことは法令線ですが、たるみで顔の片側だけなんとなく老けた感じになっています。シワではないので、たるみの場合、美容外科のフェイスリフトしか手術方法はないのでしょうか?
できればヒアルロン酸などで何とかならないかと思うのですが、しわやたるみには効果はないのでしょうか?
他に何かよい方法があれば教えていただけますか?

法令線の修正には圧倒的に美容外科のフェイスリフト手術が効果的です。しかし、フェイスリフトまでは・・とお考えの方には簡易法もあります。 簡易法として、
1,糸を埋め込みつり上げる方法(スレッドリフト)
2.フィラー(皮膚充填剤)(ヒアルロン酸製剤やカルシウムアパタイト製剤)の注入
があります。

糸を埋め込む方法

非溶解糸(ナイロン制)に、返し構造が着いた糸は有名ですが、後遺症が強く出る場合がありお勧めではありません。返し構造のついた溶解糸(PDS)はいずれ溶けますので効果は長続きしませんが安全性は少し高いかもしれません。
しかし、どちらにしても、術後の満足度はかなり低いといわざるをえません。
それらの欠点を改善して、シルエットリフトという非溶解糸に溶解する抵抗物を付け一定の期間つり上げ効果を高めた方法があります。
経験上では、やはりつり上げ効果がそんなに高いとは思えません。

フィラーの注入
やや硬めのヒアルロン酸フィラーを特殊な方法で注入します。
頬骨きょうこつ骨膜や下顎骨かがくこつのえらの部位の骨膜直上から真皮にヒアルロン酸剤を積み重ねる注入を行ったり、法令線やマリオネットラインの皮下に面形成で注入を行ったりする方法を多面的に行います。
フェイスリフトまでの効果はありませんが、年齢が若く見えていきます。
しかし、持続期間は1年程度とお考え下さい。

ほおの弛み(しわ)を取りたい、また、口元のたるみ(しわ)を取りたいのですが、20代でも美容外科のフェイスリフトをうけたいのですが、平気でしょうか?
若いと不自然になると聞いたのですが…

もちろん可能です。フェイスリフトというとおばあさんか中年の女性が受ける美容外科の手術というイメージですが、たとえば、顔の脂肪吸引の後や頬骨削り(きょうこつけづり)の後では顔の皮膚が落ち込んで弛むことがあります。
このような場合、フェイスリフトで弛みを取ることがあります。特に顔の脂肪吸引を効果的に行うには、フェイスリフトは大切な要素になります。

それから手術により皮膚に不自然なひきつりが出来る心配はないでしょうか? (私は元から皮膚が薄いので心配です。)

フェイスリフト手術でSMAS上での剥離はくりは、顔面皮下の脂肪層で行います。この剥離層が厚すぎても薄すぎても問題が生じてしまいます。また、皮下は十分剥離はくりを進め、主につり上げる(リフトする)方向が側方向優位ではなく上方向優位であれば、不自然な引きつれ等は起こりません。ただし、フェイスリフトの術後すぐは腫れによる不自然感は否めませんので、術後暫くは我慢も必要です。皮膚の薄さは引きつれとは関係がありませんので心配はいりません。

フェイスリフト手術のときに鼻も手術も同時にしていただきたいと思っていますが、可能ですか?

フェイスリフト手術では、術後に腫れが起こりますので、できるだけ他の顔面への手術は同時には行いたくはないものです。しかし、全身麻酔下であることや、鼻の手術は概ね耳介軟骨の採取を必要としますが、これがフェイスリフト手術と同時術野でできること等を考えると、耳介軟骨の移植やプロテーゼの挿入程度は、フェイスリフト手術と同時進行でも可能です。

フェイスリフト手術をした場合、手術後に何回ほどの通院が必要なのでしょうか?

フェイスリフトの手術は、手術に5〜6時間をかけます。また通常全身麻酔なので1日は入院します。翌日包帯を交換し退院します。
術後3〜4日目に再来し包帯を除去します。術後7日で耳の前の縫合を抜糸します。術後10日で耳の後ろ、頭皮の中の抜糸をします。術後3週間目に腫れなどのチェックを行います。術後2ヶ月目に状態を見ます。術後6〜12ヶ月で傷跡が完全に落ち着いたところで最終チェックを行います。
遠方の方は、フェイスリフト手術後退院して5日間ほど近くの提携ホテルで宿泊をされる方が多いようです。手術後2週間は気圧の関係で飛行機には搭乗できません。飛行機以外の交通を利用して下さい。
包帯を外したら、それから5〜7日後の抜糸まで自宅に帰るのも良いと思います。抜糸の際ご面倒でも再診していただいています。

29歳の女性です。顔の下ぶくれ、弛みがとても気になります。 最近やたら、疲れてる?と聞かれ、自分でも鏡を見るとそう見えます。
鼻の横の頬のたるみの影と毛穴が流れているように目立つこと、 鼻の下が頬の弛みに引っ張られだらしなく伸びてへの字になっていること、 フェイスラインが弛みブルドッグのように、前に比べると縦に二倍ぐらい大きく見えることがとても嫌です。

希望としては、横になった時のように(寝ている状態) 、頬がピンと張っていること、鼻の下の軟部組織が軽く反っていること、自然にしてても口角が軽く上がっていること、フェイスラインのたるみが解消され、頬のたるみの影がなくなることを希望していますが、目元の印象は変えずに、このような改善は見込めますか?
色々調べた結果、皮膚だけは伸びてしまうようなので、SMAS処理というものを考えてしまいます。やるからには、最大の効果を出したいので。
あと、酒井形成外科のHPの説明の中で、下ぶくれの方にも、脂肪吸引より、フェイスリフトを勧めていらっしゃいますが(私もその方がいいのですが)、その理由を教えていただけますか?

若い方で頬が膨らんでいて、しもぶくれ感をすっきりさせたいと考えている方には、頬や顎下の脂肪吸引と同時に顔面側面のフェイスリフト手術を行う事をお勧めしています。
単に顔面の脂肪吸引だけではなく側面フェイスリフトを同時に行う理由は、顔面の皮膚のたれ込みを矯正するためです。ふくれた風船をしぼませれば、風船のゴムはしわしわになりますよね。ということは、皮下脂肪でふくらんだ頬の皮膚は、脂肪吸引で脂肪だけ除去すればその後に皮膚の弛みが生じるということです。

実は、安易に顔の脂肪吸引をされた患者さまが後を経ちません。その方たちは「ゲッソリ顔になった」とか「老け込んでしまった」とか、いわゆる顔の脂肪吸引後症候群に悩まされている訳です。酒井形成外科でもほおの脂肪吸引はいたしますが、たいての場合フェイスリフトを同時に行っています。また、顔の皮下脂肪は思ったより少なく、理論的にも顔の脂肪吸引は少量の吸引ですら、顔の垂れ込みを誘発する可能性が高いのです。
しかし、皮膚の垂れ込みを側面のフェイスリフトで矯正できれば、下膨れ顔やぷっくりほっぺの矯正とともに、若返りも同時に行うことができます。

40才前の女性です。もともと、二重まぶたです。若い頃から、上まぶたが重い感じでした。
目頭のところはしっかりとした二重まぶたなのですが、まぶたの外側は奥二重になっている感じです。最近になり、まぶたが重く上を見る時、おでこにしわがよります。他の人から「ハの字まゆげ」といわれショックでした。鏡を見ると、目をしっかり開けようとすると、ほんとうに「ハの字」の眉毛になっているのです。
まだ、フェイスリフトをする年齢とは思いませんが、これはこめかみリフトで治るのでしょうか?それとも、しっかりしたフェイスリフトをしなくては駄目なのでしょうか?

もちろん、こめかみのリフトでも対応できると思いますが、あなたのような症状の方には、もっと簡単な手術で改善できるかもしれません。まぶたが重い感じとおしゃっているのでおそらく、上眼瞼の皮膚が厚く、その上で弛みが出ていると想像できます。このような方の特徴として、年齢を重ねるごとに上まぶたの外側に、より弛みが強くなり、いわゆる「下がり目変形」が起こり易いのです。同時に、眉毛も外側が下がると、一気にお年寄りっぽい顔立ちになってしまいます。
まず、上眼瞼のたるみを二重の線で皮膚を切除することで多少矯正します。この時、二重線での皮膚切除だけで矯正を試みようとすると、二重が厚ぼったく変形し、「わざとらしい、美容外科を受けた二重まぶた」になってしまうことがあります。
そこで、眉毛の上または下の皮膚を切除を加え、二重線での皮膚切除を少なめにすると、極めて自然に上眼瞼のしわやたるみを矯正できるのです。あなたの場合、ハの字眉毛になってしまう、ということですから、眉毛の上で皮膚を切除し「ブローリフト」という、眉周りの小さなフェイスリフトを試みるのが良い方法だと思います。

フェイスリフトの手術法について

顔のリフトアップで素材はわかりませんがプラスチックみたいな細い棒にフェザーが付いているのを顔の耳の上のラインに通し、引き上げる方法がありますが、酒井形成外科ではその方法はやっていないのでしょうか?

簡易フェイスリフトとしてスレッドリフトという方法は手術法として存在します。よく見かけるものとして、溶解糸に返しや棘をつけたものを皮下や皮下脂肪内に埋め込むだけのものや埋め込んだ後、互いの糸をこめかみ辺りで引き込みながら縛り込んだりするものがあります。
一見とても良い方法のように思えますが、手術直後から1〜2ヶ月は効果があるように感じますが、すぐに後戻りをし易すく、元に戻ってしまう感じを受けます。溶解糸であればそれほど問題はありませんが、非溶解糸だと、皮下に残ってしまうため問題を起こす心配があります。
いずれにせよ、大きな効果を期待しない患者さまには良い適応かもしれませんが、ある程度の効果をしっかり求める方にはお勧めしないことにしてます。

去年の12月に頬骨削りの美容外科の手術をしました。
その結果、目から下(ほおからあごにかけて)が弛んでしまいました。それで、頬の弛み(しわ)を取りたいと思っています。美容整形で、ほおのリフトアップをしたいと思っています。その場合の美容整形手術のリスクなど有ったら知っておきたいです。

頬骨きょうこつには表情筋や咬筋が付着しているため、頬骨を削ると筋が落ち込むことがあります。
その結果、ほおがげっそりした感じが出ることもあると思います。これを防ぐために頬骨削り(きょうこつけずり)では術後にしっかりとした圧迫包帯が欠かせません。
それでも、ほおのげっそり感が起こった場合、SMASを引き上げることを中心とした、フェイスリフトでリカバリー可能です。また、ミニリフトではSMASが引き上げられないため、多少拡大範囲のフェイスリフトの選択が大切です。

私は30才代半ばの女性です。
3年ほど前から目の下が弛むというよりむくんでいる感じで、その腫れぼったい場所の下に影が出来るのでとても疲れて、プラス老けて見えることに悩んでいます。
最近、美容整形手術で綺麗にしてもらった方が…と思い、いろいろな美容外科クリニックを調べ始めたのですが、大手チェーン展開の美容外科では、”下瞼の内側にメスを入れそこから脂肪を抜く”というのを見ました。しかし酒井形成外科のHPでは、”下まつ毛ギリギリにメスを入れ…”とありました。
普通に考えると前者の方がいいように思うのですが、どうしてまつ毛ギリギリとはいえ顔の表面側にメスを入れるのですか?

たとえば膨らんだ水風船の水を抜くとどうなると思いますか?
おそらく表面は弛んでしまうでしょう。
つまり、単に目の下の脂肪だけ抜くと、下眼瞼皮膚におばあさんの目のように深いしわと垂れ込みができてしまう事が予測されます。この場合、当然弛むべき皮膚を予め切除する必要があるのです。これと似た事象ですが、肥満で大きく膨らんだおなかを脂肪吸引だけすると、おなかの皮が大きく弛むものです。米国では、このため、リダクションアブドミノプラスティー(大きく下腹の皮膚と脂肪を切除しながら筋肉を強化する手術・別名タミータックともいわれています)が盛んなわけです。
もちろん若い方で、単に目の下の脂肪が多いという方では、この結膜側からの脂肪少量除去でも良い結果がでることはありますが、経験上なかなか適応は少ないと感じます。また、この場合、下側の脂肪が3つの部屋に別れて入っていますので(3コンパートメントセオリー)当然均一に脂肪をそれぞれから除去するという、なかなか難しい手法が必要です。安易に行うべきものではありません。
よく大手といわれる美容外科で安易にこの手術を受け、変形した方が相談に見えます。修正はかなり難しい場合もあります。 形成外科専門医は、綺麗に縫合する技術を習得しています。(このためには10年以上の研修期間と、形成外科学会認定専門医を取得する事が最低の条件です)
たしかに、目の裏側の結膜側を切開し眼窩内脂肪がんかないしぼうだけちょっと取る手術は簡単に見えますし、下眼瞼かがんけんの瘢痕もありません。しかし、下瞼の弛みを誘発するという不足の事態を引き起こすことも事実なのです。とすると、もし、術後傷跡が殆どわからないようになるのであれば、睫毛の際に切開を入れ余剰脂肪を切除し眼輪筋をつり上げ補強し、余剰皮膚も切除すべきだというわけです。

フェイスリフトを考えているのですが、頭の中の傷跡は残るのでしょうか?
美容院などでは、美容整形をしたことが、やはりわかってしまうのでしょうか?

こめかみまで大きくリフトアップを希望される場合は、耳の上の有毛部5〜10cm程度の長さで細い傷跡は残ります。最近では「毛包斜切開法」というう毛根の一部を残し縫合するため、後日瘢痕の中にも発毛し、有毛部の瘢痕がかなり目立たなくなるテクニックもありますので、傷跡はよく見ないとわからない程度になると考えます。
しかし、美容師さんは「専門家」ですので、傷跡がわかってしまう可能性はあります。こめかみや目元のリフトアップをしない場合は、耳の上少量の傷跡で対処することはできます。

「顔面下部の弛みを改善するために、耳前部・側頭部を切開して皮下およびSMAS(スマス)という筋膜を剥離はくりします。SMAS剥離はくりをバッカルファット近傍まで進めてバッカルファットを引き上げ、SMASならびに頬骨きょうこつ近傍の靭帯をリフトします。フェイスラインの弛みを改善し、頬下部の輪郭をシャープにすることができます。」
と他のHPにありましたが、酒井形成外科ではこのような美容外科の手術をしていますか?
また、このような事をミニリフトというレベルでできるものなのでしょうか?
そしてミニリフトで効果はあるのでしょうか?

あなたの情報元のHPに記載があったバッカルファットはおそらく中央脂脂肪塊の誤りだと思います。スマスとはSMASと書き、Superficial Musculocutaneous Aponeurotic System のことです。
いわゆる顔面表情筋そのものなのですが、あたかも膜様構造に見えるためこのように呼ばれています。これを引き上げることがフェイスリフトの大切な作業の一つです。
また、顔面骨や深部の筋肉からSMASを貫き靭帯が顔の皮膚を支えています。これが深部靭帯(ディープリテイニングリガメント)です。これは数カ所確認されていて、これらが老人の特有の目袋の形成や頬のすじ(ミッドチークライン)、法令線、マリオネットライン(ジョウエル)と関係してきます。
さて、これらの解剖学的特徴とそれに付随して起こる老化現象をとらえフェイスリフト手術が考案されています。
効果のあるフェイスリフト手術とは、顔の皮膚をこめかみから頸部けいぶに至るまで広く剥離はくりし、十分SMASを露呈しながら、深部リガメントを一度切断し、SMASを引き上げ、それにともない顔面の皮膚もつり上げて行きます。その結果、余剰皮膚を切除することになります。あとは丁寧に皮膚を縫合していくわけです。
しかし、これらの手技はもはやミニリフトの範囲を超えていて通常のフェイスリフトの説明になっています。ミニリフトでは切開線も剥離はくり範囲も少なく、概ねちょっと皮膚だけをつり上げる結果に終わるため、フェイスリフト効果は少ないと考えられます。つまり、あなたが見つけた他のHPの説明はミニリフトではないと考えて良いでしょう。また、ミニリフトでは十分フェイスアップは期待できないと思います。

ミニリフトというものがあると知りましたが、効果はいかがでしょうか?
どうせフェイスリフトの手術を受けるなら、通常のリフトが良いのでしょうか?
リスクと効果を考え合わせるとどちらが適当なのでしょうか?

ミニリフトの定義がはっきりしませんが、おそらく切開範囲が小さく、包帯等も殆ど必要がなく、手術時間も2時間程度と短く、日帰り手術が可能な手術全般をこのように呼んでいるのだと思います。手術は簡単でも効果がしっかりあればそれは良いと思うのですが、そんなに簡単にフェイスリフトは達成できるものではなさそうです。
一般のフェイスリフトは、側頭部から頸部けいぶまでの広範囲な剥離や正確なSMAS処理が必要なのに対し、皮膚切開範囲をこめかみから顔面側面に限り、しかしながら剥離はくりは法令線近くまで行えば小範囲のフェイスリフトが可能かもしれません。ミニリフトという呼称よりラテラールリフト(側面フェイスリフト)というべきでしょうが、小範囲リフトとして認められるものと考えています。
とはいえ手術時間は、3〜4時間が必要で、手術後2日程度包帯を巻きます。麻酔は、静脈麻酔でも良いでしょう。現在の手術法ではトータルなフェイスリフトもラテラールリフトでもほぼ同じで、リスクはとても少なくなっています。

フェイスリフトの術後2〜3ヵ月後に一寸戻るので、2割くらい強めに引っ張る?引き上げるという病院もあったのですが、どうなのでしょうか?
また、よくいわれることとして、仰向けに寝たときの状態になると思えばいいと聞きますが、そうなのでしょうか?

このフェイスリフトの説明で、言いたいことはよくわかります。つまり、術後「後戻り現象」が起こるため、やや強めにフェイスアップをするという説明です。術後早期の状態に対し、患者さまが「つり上げすぎている!」と驚かないように、予め説明したものと思われます。まさにそのとおりで術後、目元や口元がつり上がって見えることがあるのです。概ね1ヶ月くらいで腫れが退くと自然になってきますので暫くは我慢も必要です。
フェイスリフトの効果を表す時によく使われる表現で、「仰向けに寝たときの顔」というのは的を得た表現だと思います。

ほおの脂肪吸引後の後遺症について

4年前に、他院で頬の脂肪吸引を受けました。今考えますと不必要だったのですが、そのため顔の皮膚も凸凹で筋肉の筋にそったように皮膚がたるんだような感じで、張りがなくなりました。
去年、弛みの改善目的のため、糸をつかったフェイスリフト(ケーブルスーチャーと呼ばれていた)の美容外科手術を他の美容外科で手術を受けました。結果は余計凹凸が目立つ感じになり、口の横に糸の端がきているようですが、そこが窪んでいます。笑った時など、顔が不自然な感じになりました。
そして、脂肪注入をしたら窪みが解決するとのことで、1ヶ月前に他院にて脂肪注入をしましたが、変化は無かったようです。顔の皮膚も張りを失ったまま、顔の輪郭もガタガタしている感じです。
今は客観的に自分を捉えることにしていますが、美容外科に対しても、信頼できる技術というのがどういうものなのか。本当のところは、過去に戻って脂肪吸引などせずに、何もしないで生きていくことを選択したいのですけれど、取りかえしはつかないことなので、外科的に改善されるものなのか、ご相談させていただけますでしょうか。
若年のコンプレックスによって美容整形の手術を選択してしまいました。

このような経過と症状の方は、決して珍しくありません。
誰もが陥るピットフォール(落とし穴)のような気がします。あなたのご年齢から、多くの医師は「簡単な手術法」を選びやすく、また、患者さまも「できたら大きな手術は怖いから控えたい」と思うのも当然ですね。
「小顔」というキャッチコピーで、ほおの脂肪吸引を勧める美容外科医が意外に多いと感じます。顔の脂肪吸引はとても注意が必要です。わずかに脂肪吸引したのではまったく効果はありません。しかしほお等は吸引しすぎると、げっそりしたり、顔に垂れ込みが起こったりします。顎下(あごした)の脂肪吸引は概ねトラブルは少ないと感じます。私は、小顔感を出すための顔の脂肪吸引では、弛みが出ることを防ぐために側面の簡易フェイスリフトを同時にすべきと考えています。
脂肪注入も悪い手術ではありませんが、注入脂肪の定着率が20%程度であれば、結果が出るまで多数回の脂肪注入が必要になります。
糸によるリフト(スレッドリフト)は、簡単で手術はしやすいのですが、弛んだ皮膚の修正はできません。また、そもそも糸によるリフトは効果時間がとても短く、根本的な治療はできないことを考慮すべきでしょう。
以上から、あなたの後遺症の修正には、本格的なフェイスリフトが最も近道になると考えられます。
糸リフトの跡は、まず、できるだけ糸を抜き陥凹瘢痕は形成外科的切除を行います。これらはフェイスリフト手術の際同時に行う事が可能です。

美容外科でよくいわれている、ミニリフティングやこめかみのフェイスリフトに大変興味を持っております。 実は近い将来、どちらかのリフティングを受けたいと思っています。あるDr.から聞いたのですが、切った部分は禿げるという事は、実際のところどうなのでしょうか?
あと筋膜とかきちんと手術可能でしょうか?また、効果がどのくらいの期間持続するのか教えてください。
ポニーテールをした時みたいに、こめかみ辺りが上にすっきり上がるのでしょうか?

通常の縫合法を行うと線状の瘢痕のため、ここが2〜3mm幅で禿げることがあります。そこで、最近では「毛包斜切開法」といわれる特殊手技が提唱され、なるべく線状ハゲを残さないよう工夫されるようになりました。これは毛根を一部皮下に残し縫合するため、瘢痕部に後から毛が再発するといわれ、最小限に瘢痕ハゲを作らない縫合法です。
筋膜の処理というのは、おそらくSMAS処理のことだと思いますが、もちろんSMASのつり上げ処置は行います。さらに、頭蓋骨にビスを打ち込み、ワイヤーを固定し、このワイヤーで側頭からこめかみをリフティングする処置を行うこともあります。
この処置は、効果が持続しやすいと考えられます。単純切除でも少なくとも皮膚は切除する訳ですから、ある程度の効果を得ることができます。
しかし、後戻り現象や皮膚の伸張により1〜2年で元に戻ってしまったという感じがするという患者さまもいます。ここで、皮膚切除と皮下剥離ひかはくり、SMAS処理とケーブルワイヤー固定を行うと長期間のフェイスリフト効果を持続できると我々は考えています。単に頭皮内にスレッドリフト糸やケーブルワイヤー等を通すだけだと数カ月の持続しか得られないと思います。
こめかみのフェイスリフトでも最初のうち(1〜2ヶ月)は、もっとつり上がった感じがあります。そのうち除徐に緩みが起こりますが、程度はともあれポニーテールスタイルの感じは的を得た表現だと思います。

フェイスリフトに興味があります。年齢は35歳で、頬が最近弛んできました。
皮膚をひっぱると明らかに余っており、昔とは表情が違ってきました。
フェイスリフト後の腫れ、術後の様子はどのようなものでしょうか?
包帯で巻くとか、内出血で外には出られないなど、だいたいの目安で結構ですので教えてください。仕事の休暇の関係で…
関西在住なので抜糸が完了するまで、どこかに宿泊する方がよいでしょうか。
包帯ぐるぐる巻きの状態での長旅は疲れますし、またすぐ来院しなくてはならないからです。
皮膚を剥がして筋肉を持ち上げるとのことですが、かなり大がかりな手術ですよね、当日帰ることはできるのでしょうか?
帰りの便や宿泊などが心配です。

酒井形成外科のフェイスリフ手術一般とその後の経過をお知らせします。
酒井形成外科では、しっかりした効果と安全性を第一と考え、本格的な手術を心がけています。
手術は麻酔科専門医による全身麻酔下で行われます。
手術は極めて丁寧に行う必要があるため、どうしても6時間程度を必要とします。その際、患者さまには頸(くび)を曲げた姿勢を長く保っていただきますので、全身麻酔による意識の消失と筋弛緩は必須と考えています。
手術が終了し包帯が巻かれてから麻酔をゆっくりと醒まします。
全身麻酔覚醒後は入院していただきます。意識の回復を確認すると、そのまま静脈麻酔へ移行し翌日の朝まで鎮痛や安静を保つようにします。患者さまはとても楽であったとみなさんおしゃっています。術後の不安感を取り除くことはとても大切なことです。
万が一を考え全身麻酔後、1日間の入院は必須事項とされています。
手術次の日にドレーン(体液排出の管)を抜き、包帯をし直した後、患者さまはご帰宅またはホテルでの宿泊となります(酒井形成外科との提携ホテルもございます)。退院後はシャワー浴が可能です。
退院後2〜3日で包帯を外しに来院してもらいます。その際、洗髪や洗顔も当院で行います。以降、ご自分での洗髪、洗顔、シャワー浴、簡単なお化粧等が可能です。
術後7日で有毛部以外の抜糸を行い、術後10日で有毛部の抜糸を行います。
包帯を外した後、抜糸まではご自分で消毒を行い、特に通院の必要はありません。
抜糸までの期間は気圧が下がる飛行機への搭乗は控えてもらいますが、陸路の移動は可能ですので一度帰宅なさる方やそのまま都内のホテルで過ごされる方もいらっしゃいます。
抜糸が終了すれば、腫れは大分治まっていますので、概ね通常生活に戻れます。
包帯さえ取れれば、縫合部は目立ちませんので、多少の腫れを我慢できれば、概ね通常の生活ができるとお考え下さい。
手術は長時間を要しますが、これは丁寧さのためで、決して大がかりな手術というわけではありません、意外に早く社会復帰は可能です。
傷跡についてですが、最初は赤みと硬さが目立つ時期があります。1〜2ヶ月後が最も目立つ時期になります。
しかし、傷跡は頭髪等に隠れる場所ですので意外に目立ちません。3〜6ヶ月すると赤い色味も褪せてきて茶色い感じになり、硬さはほぐれるように柔らかくなってきます。しかし、顔の皮膚の傷跡が完全に落ち着くには1年を要します。その間はお化粧等でカモフラージュすることは容易であると考えます。

実は某美容外科で口角のしわを取るためのフェイスリフトをしました。
内視鏡を使ったマイクロリフトと一般のフェイスリフトを組み合わせたものです。
傷はこめかみを中心に上は、髪の毛の中に隠れる部分が3cm、下は耳の穴にかけて2cmくらいです。
費用は高額でしたが、一般のフェイスリフトと比べて、何日も腫れずに済むので、仕事も2、3日の休みがあればいい、又、耳の前の部分は切開しないので、傷跡が人目につきにくく、傷跡も小さくて済む。と聞いて、清水の舞台から飛び降りるつもりで決心しました。
フェイスリフトの術後直後から、恐ろしく顔が腫れました。
そして、右頬が引き攣れて、凸凹になっていました。
手術を担当した医師に聞くと、「術後直後の腫れによるもの」と言っていました。
術後一週間の診察の時には、「あと一週間もすれば、目に見える引き攣れや段差は無くなる。」と言われましたが、二週間以上経つ今も引き攣れは治っていません。

現在、左右共にこめかみの部分はかなり腫れていて、カチカチに堅くなっており、常にしびれたように感覚がありません。これは時間が経つにつれ、腫れもひき、しびれもなくなり、感覚も戻ると担当医は言いますし、その点はそうだろうと私も思います。

私が気になっているのは、やはり右ほおの引き連れのような凸凹です。口角から、耳にかけて、しこりのように堅い筋があリ、その部分が段差になっています。 もちろん、痺れと共に感覚はなく、さわると痛い状態です。 左頬とは明らかに仕上がりが違います。筋と直角に頬を引っ張ると、その部分が癒着しているかのような、えくぼのような窪みができます。

部分的に強く引っ張り上げられたのか、あるいは、剥離はくりがちゃんと出来ていなくて、引き攣れているのか。傷ついた組織の自らの治癒現象で、堅くなって引き攣れているのか。このまま凸凹のままだったらどうしよう。と、毎日暗い気持ちでいます。
担当医も看護婦も、いずれ良くなると言いますが、今も髪の毛でほおを隠すようにしていて、人目につかないようにしています。しかし、ほおを出さずに過ごすなんて、いつまでも出来ることではありません。
その筋の部分のしこりをほぐすように、マッサージなどした方がいいのでしょうか。

まず、拝見してみないとなんとも言えません。
いずれ、まだ様子を見ていくしかないとは思います。もし、ご心配でしたらいつでもご相談承りますので、来院して下さい。
内視鏡的フェイスリフトは確かにあり、それなりの利点はあるということなのですが、私はその効果に疑問を感じますし、危険性も多いと思いますので、施術しておりません。
実際を診察していないので、あなたの相談事項から症状を推察します。まず、フェイスリフト手術後に大きく腫れたということから、術後の出血、血腫が考えられます。内視鏡での手術の場合、剥離はくりは出来ても止血が簡単ではないので術後出血で血腫が形成された可能性があります。
通常のフェイスリフトでは大きく皮膚を開きますので、止血はとてもしやすく、安全性は確保されます。仮に血腫が出来たと思えば、縫合した部位を再度オープンし、止血をすれば良いだけです。もちろんもう一度丁寧に縫合する苦労はありますが、危険性は殆ど無いはずです。
これに対し内視鏡手術では出血があっても止血できないことが多く、ここで初めて切開を加えオープンにすれば良いのですが、これでは内視鏡で手術を行った意味がなくなってしまうため、圧迫だけで放置する場合があります。こうなると、後手後手に回った処置の結果、思わぬ後遺症が出て来てしまいます。例えば癒着などです。あなたの場合も癒着が原因と考えられる、しこり、引き攣れ、えくぼ変形等があるようですね。
マッサージはしてもあまり意味は無いと思います。人の皮膚は傷をつけると瘢痕細胞が出て来て硬くなる時期がありますので、術後3か月くらいして、ある程度落ち着き柔らかさが出てくる頃に、今度はきちんとしたフェイスリフト手術を行い、癒着部位を綺麗に剥離はくりしながら、再度皮膚を引っ張り上げれば、後遺症は無くなると考えられます。
今は、慌てないことです。良い形成外科医は必ず、修正手術を成功させるはずですので、暫く待機しましょう。
まず、一度診察してみたいと思いますのでご来院ください。

ひたいの切開リフトを考えています。 フェイスリフトの症例写真を拝見いたしました。 この方のひたいと私はよく似ていますが、術後額が綺麗になっていますね。ひたいのリフトもなさったのでしょうか?

この方は「脂肪注入」だけでこれだけ綺麗になりました。その後ボツリヌストキシン製剤(ボトックス注射)の注入を試みています。現在は、おでこの横皺にはボツリヌストキシン製剤注射が最も効果が高いと感じています。ただし、眉毛の落ち込みや、目尻の老人用たるみはボツリヌストキシン製剤で悪化することがありますので、注意は必要です。

もし、こめかみや、側頭部のフェイスリフトをするとしたら、生え際切開か頭髪内切開のどちらでしょうか?

どちらでも好きな方を選べます。最近では、生え際に小さな切開を入れ、内視鏡で見ながら剥離はくりし、小さなネジを前頭骨ぜんとうこつにうがち、これに強力な糸でつり上げる方法もあります。この場合、余剰皮膚は切除しませんので、長い傷跡は残りません。一般的には傷跡が目立たない、頭髪内切開を選択することが多いです。

1週間後の抜糸時のこの方の腫れ具合はどうでしたか。また、どれくらいで人に会うことが出来たでしょうか?

抜糸までが10日ほどです。2週間程度で、腫れや内出血の色などが落ち着いてきますので、前髪で傷跡を隠せば十分人と面会できるでしょう。

生え際の場合、どんな傷跡が残るのでしょうか?

フェイスリフトの術後6ヶ月くらいは、赤みや茶褐色がついた線状の傷跡が目立つ事がありますが、いずれは赤みや茶色みが消えて殆ど人目につかない薄い線になります。
生え際では、現在「毛包斜切開法」という傷跡に再び毛が生えるような工夫をされた、特殊手技を使ったりしてかなり綺麗な傷跡になるようになりました。

口元のたるみ(しわ)や法令線を取りたいのですが、良い方法はないでしょうか?

簡単な治療法としてヒアルロン酸フィラーの注入があります。とても簡単でそれほど腫れません。
また、その日のうちにお化粧も可能です。ただし、大きな変化は難しいと思います。
スレッドリフトという特殊な糸を皮下に通すだけのフェイスリフトもありますが、やはり効果が小さいく不満に繫がることもあるでしょう。
次に、目立たない所に小さな切開を入れ、SMASを糸でつりあげる糸リフト法があります。これも極めて簡易な治療法ですが、意外にも後戻り現象が思ったより強く出てしまい、効果の持続時間に異論を唱える方も多いのも事実です。
せっかく治療をすると決めたら、ある程度の効果がしっかりでる手術法をお選びたいただいた方がよいと思います。この場合、手術が大げさになりますが、側面(ラテラール)とこめかみ(テンポラール)のフェイスリフトが有用です。皮下剥離ひかはくり範囲も広くできますしSMASの吊り上げもしっかりできます。おそらく弛みが作る余剰皮膚の切除も行え、結果はかなり満足がいくものと考えます。手術は、静脈麻酔で日帰りでも可能です。