間違いだらけのふたえまぶた手術
(なぜハム目になるのか?ハム目にならない手術法の秘策)
執筆者紹介
(さかい みちあき)
通常ふたえまぶたの線は眼瞼皮膚の薄いところで作られています。日本を含む東アジアの民族は眼瞼皮膚の厚いところが多く、薄いところが狭い傾向にあります。なので、ひとえ瞼の方や奥ふたえの方が多いのです。
上まぶたの構造と二重まぶた
まず、上まぶたの構造を知りましょう!
上まぶたの皮膚は眉下からまつ毛の生え際までで厚さが変わります。まつ毛の上8mm程度はかなり薄く、人体皮膚の中で最も薄い皮膚なのです。二重まぶたの方は皮膚の薄い部分のどこかで二重になるようになっています。これは、眼瞼柵状組織が皮膚に貫入するのが、皮膚の薄い部分だからです。
日本人のまぶたの形態
【1】皮膚が薄い上まぶたの方(日本人には少ないかもしれません)
開眼時
柵状組織が皮膚に入り込む最上端で二重線ができるところです。(図の★の部分)
二重線は眼瞼皮膚の薄いところで作られるものなのです。
しかし、二重線が眼瞼皮膚の下の方にできると、ふたえが目立たなくなります。
閉眼時
薄い眼瞼皮膚で折れ曲がるため綺麗な二重形態になる。
【2】日本人に多い厚いまぶた(一重まぶた)
閉眼時
皮膚の厚さが厚いことに注意!
開眼時
ふたえではあるが、前方の皮膚が広報の皮膚を超えて存在するため、ひとえまぶたに見えてしまいます。(図の★部分)
綺麗な二重線は、眼瞼皮膚の薄いところに発生します。
若い方の切開重瞼手術
【1】皮膚が薄い一重まぶたのための切開重瞼手術法
閉眼時 手術時
現在の重瞼線上で少し皮膚を切除します。(図の★部分)
開眼時 結果
眼瞼皮膚の薄いところで重瞼ができていて、皮膚の余剰も少なければ美しいふたえまぶたになります。(図の★部分)
【2】皮膚が厚い一重まぶたのための切開重瞼手術法
厚い瞼の特徴
眼瞼上縁に皮膚の溜まりがある。目が小さく吊り目に見えることが多いのです。
上眼瞼皮膚を小量切除する切開重瞼手術法
眼瞼皮膚を少し切除します。
結果は奥二重になってしまいました。(図の★部分)
ボッタリした奥二重になってしまい、正面から見るとまだ一重まぶたに見えます。これでは、満足できません。
上眼瞼皮膚を多めに切除する切開重瞼手術法
眼瞼皮膚の厚さを考慮せず多めに切除しました。(図の★部分)
(しっかり二重が描出(びょうしゅつ)できると勘違いしているわけです。)
案の定、もったりしたまぶたになってしまいました。いわゆる「ハム目」です。(図の★部分)
原因は、眼瞼皮膚の厚いところで重瞼線の折れ曲がりができたためです。
やはり良い結果は得られませんでした。
つまり、重瞼線は皮膚の薄いところで作られるべきなのです!
眉下皮膚切除+上眼瞼皮膚を小量切除する切開重瞼手術法
眉下の厚い皮膚を切除し、弛んだ眼瞼皮膚をたくし上げ、皮膚の薄いところで重瞼線作成する手術法です。
重瞼線の幅を描出(びょうしゅつ)することと眼瞼の弛みを除去するために、眉下の皮膚と眼輪筋を切除します。(図の★部分)
また、皮膚の薄いところで適量の皮膚を切除し、さらに余剰の筋肉と眼窩内脂肪を切除します。(図の☆部分)
2箇所の皮膚切除によりもったりしたハム目にならず、若々しい二重まぶたになります。(図の★部分)
重瞼線は眼瞼皮膚の薄いところに作られ、眉下皮膚切除によりまぶたが上に牽引される工夫が効果的だったわけです。(図の☆部分)
やっと綺麗な二重まぶたができましたね。
まぶたの弛んだ加齢者のための切開重瞼手術法
【1】加齢者のまぶたの特徴
開眼時
加齢により上眼瞼皮膚はしっかり弛みます。
閉眼時
【2】加齢者の失敗しがちな切開重瞼手術法
デザイン
上眼瞼の厚い皮膚と薄い皮膚で縫合されるため、もったりした重瞼形態(ハム目)になってしまいます。
綺麗な目元にはなりませんでした。
【3】加齢者の弛んだ上まぶたの綺麗な切開重瞼手術法
重瞼線での皮膚切除は、あくまで瞼の皮膚の薄いところだけで行い、それ以上の余剰皮膚の切除は眉下皮膚切除で行うデザインで考えるべきなのです。
重瞼線の調節を考えながら、上眼瞼の余剰皮膚は眉下皮膚の切除で行います。(図の★部分)
重瞼線での皮膚切除は眼瞼皮膚の薄い部分のみで行います。重瞼線から睫毛の間の余剰皮膚の調節も考えます。(図の☆部分)
このデザインだと、ハム目にならず、かつしっかり上眼瞼の弛みが取れることになります。
眼瞼はかなり若返った感じをうけるでしょう。また、極めて自然な形になります。
やっと綺麗で若々しい目元ができあがりました。
いかがでしょうか。このような複雑なデザインで美しい二重まぶたが完成するのです。
工夫したデザインで行われた切開重瞼の症例
症例1
切開重瞼・眉下皮膚切除
実際の手術ではどのようにデザインを決めるかを示しています。
術前
デザイン
術直後(縫合)
術前・術後
術前
術後(1年)
この症例の手術費用
(モニター価格)704,000円(税込み)
リスク・副作用→傷跡、感染、色素沈着、予定形態との差、予定外重瞼線、閉眼障害、眼瞼下垂、左右差、等
症例2
複雑な症状を伴う加齢者の二重まぶた手術症例
術前
他院の術後修正症例です。右眼瞼には眼瞼下垂症状があります。
また、左右とも眼瞼の弛みがでています。
傷跡も目立ち左右差も認めます。
術直後(縫合)
弛み矯正のため、眉下皮膚切除を行い、右側の眼瞼下垂を修正しながら重瞼幅を狭くなるように調節しました。同時に傷跡も綺麗になるような縫合を行っています。
術前・術後
術前
術後
術後1年です・患者さまのご希望とおり、二重幅をせまく眼瞼の弛みも矯正し目の開きも改善しました。
傷跡も目立たなくなっています。
この症例の手術費用
(モニター症例)88万円(税込)
リスク・副作用→傷跡、感染、色素沈着、予定形態との差、予定外重瞼線、閉眼障害、眼瞼下垂、左右差、等
症例3
切開式二重まぶた
術前
加齢による上眼瞼の弛み矯正とあっさりした二重まぶたがご希望でした。
眼瞼皮膚が厚そうです。
デザイン
予定重瞼線から睫毛側までの弛みを矯正するため、重瞼線での皮膚切除をわずかに行いました。あくまで、眼瞼皮膚の薄いところだけでの処置です。
美しい重瞼ができるように、眉下皮膚切除で重瞼幅の調節を行っています。
術前・術後
術前
術後
もったりした目つきでしたが、眉下皮膚切除により眼瞼が上に牽引され、あっさりした二重にしあがりました、また、傷跡も目立たなくなっています。
この症例の手術費用
(モニター症例)88万円(税込)
リスク・副作用→傷跡、感染、色素沈着、予定形態との差、予定外重瞼線、閉眼障害、眼瞼下垂、左右差、等
酒井形成外科
日本形成外科学会 河野 暉(こうの ひかる)
日本美容外科学会(JSAPS) 酒井 倫明
まぶたの施術をご希望の方は酒井形成外科へ
院名 | 医療法人社団 形成会 酒井形成外科 |
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住所 | 〒170-0004 東京都豊島区北大塚2丁目3−1 2-3-1,kita-ootsuka,Toshimaku,Japan |
TEL | 03-3576-7788 |
受付時間 |
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休診日 | 火曜日 |
URL | https://www.sakai-keisei.gr.jp/ |
(こうの ひかる)